【漫画】秘密 6巻ートップシークレット(清水玲子)ネタバレ有

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清水玲子 秘密 6巻ートップシークレットの感想です。

ネタバレありですので、まだ読んでない方はご注意ください。

【秘密 5巻ートップシークレットのネタバレ・感想はこちらから】

 

秘密 6巻ートップシークレット ネタバレ

時は3年前。
28人の少年を殺した連続殺人犯・貝沼清孝の脳のMRI捜査中、捜査員のうち2人が自殺・1人は廃人同然、もう1人の鈴木克洋は、室長である薪剛警視正が射殺してしまったため、第九は事実上崩壊していた。

そんな第九に、当時捜査一課にいた岡部が配属される。
関わっていた「コンビニ店員惨殺事件」の捜査と、薪の監視の任務のためだった。

薪は貝沼事件の捜査中に部下の鈴木を射殺した件で、その件は正当防衛として認められたものの貝沼の異常な脳を見ているため、感化されている危険性がある、と上層部に目を付けられていた。

第九には岡部のほかに2人捜査員が新たに入り、4人体制で「コンビニ店員惨殺事件」のMRI操作にあたることになった。

事件の被害者は全部で4人。

うち3人は容疑者である小島郁子(40)と同じコンビニエンスストアに勤務
していた。
小島郁子は8月27日午後5時、休憩中の山崎正(20)・陣内忍(27)の2人を包丁でメッタ刺しし、さらに逃げ出した佐藤佳代子(18)を商店街まで追いかけ殺害。

この時に通行人1名が巻き込まれ殺害されている。
4人を殺傷したのち、郁子は自宅の風呂場で首を吊り自殺。

そのため、MRI捜査をされることになったのだった。

 

岡部が現場で得た情報ー被害者の山崎と佐藤佳代子は大学の先輩後輩で付き合っていたーを報告。
まずは佳代子と郁子が言い争う場面をMRIで検証することになった。
画面に映し出された郁子は、年齢に似合わないリボンフリフリの少女趣味のワンピースを着ている。
勤務時間が終わって私服に着替えた郁子を佳代子が捕まえて詰問しているところだ。
佳代子は「なんで正があなたの父親の面倒までみなきゃならないの?あなた何か勘違いしてるんじゃないの?」と郁子を問い詰めている。

郁子は自宅で寝たきりの父親の介護をしていた。
山崎は大学でもともと介護や医療に興味があり、郁子の境遇に同情的で郁子の父親の介護も何度か好意で手伝っていた。
そのことが佳代子には面白くなかったようで、大学の友人にもたびたび不満を洩らしていたようだ。

捜査一課の人間が総出で集めた写真・情報が紙くず同然となるほど鮮明に映し出される脳の画像に、現場主義の岡部は衝撃を受ける。

ハッキリと2人を殺害する郁子の画像を見た岡部は、なぜこれ以上捜査を続ける必要があるのか、と疑問に感じる。
薪は、脳の画は1人の人間の主観的な画で客観性が無い、被害者側と犯人側両方の画を見るまで軽々しく「判決」を出すべきではない、と主張する。

みんな死んでしまっているのに、そこまでする必要性を感じることができない岡部は異動願いを持って薪の部屋を訪れるが、中から何かが割れる大きい音がしたためカギのかかったドアを蹴破り、中に入る。
そこには、射殺した鈴木の幻影を見て錯乱している薪の姿があった。
近づく岡部を鈴木と勘違いする薪は、自らコーヒーメーカーで手を火傷してしまう。

岡部が救急車を呼び、薪は搬送されるが、施錠したドアが外から破られていたことや岡部と薪が捜査中にぶつかっていたなどの状況証拠から、岡部が薪に危害を加えたのではないか、と周りから勘違いされてしまう。

この一件で、現場の状況証拠や周囲の人間の目撃証言があてにならないことを肌で感じた岡部は幻覚を見た薪をかばい、異動願いを提出するのをやめ、コンビニ店員惨殺事件の「真実」を追求することにした。

幻覚を見る薪に、岡部はちゃんと寝たら、幻覚は見なくなるから、と弱い睡眠薬を渡す。
その睡眠薬を見て薪は、佳代子の画の中で、正が郁子に何かの錠剤を渡していたことを思い出す。

郁子のMRI捜査は進み、5年前に郁子が頻繁に自殺未遂をしていたことがわかる。
6年前に母親が肺がんで死去、同年父親も認知症が悪化し会社を退社。
一人娘の郁子は父の介護のため東京での仕事を辞め、千葉の実家に戻る。
結納まで済ませていた縁談も破談になった。
これでは自殺未遂の動機にはなるが、4人惨殺の理由にはならない。

さらに捜査がすすみ、自殺未遂のあと、鏡に映った郁子自身の姿がスーパーモデルのように美しい姿になっていたことがわかった。
郁子が整形していたわけではなく、自分が美しく見える幻覚を見ていたようだった。
最初は時折だったが、半月もたつ頃にはずっと美しい姿のままになっていた。
郁子は非常に強いストレスを受けた結果、現実のつらいことや苦しいことなどを忘れ美しい幻覚の世界に生きていたようだった。

しかし完全に異世界の住人になってしまったわけではなく、きちんとコンビニのバイトも続け支障なく社会生活に適応していた。
そして時折幻覚で見える様子や架空の出来事を口にしたりするので、バイト仲間に「ユメみるユメ子ちゃん」と陰口をたたかれていたが、それすらも郁子の脳の中では、美しく優しく変換されていた。

しかし山崎は、幻想の世界に住んでいる彼女を心配して、治してやろうと思ってしまい幻覚・妄想を抑える作用のある安定剤を渡してしまった。

それを飲んだ郁子は美しい幻覚を見ることができなくなり、良かれと思った山崎は、「現実を受け止めて、空想の世界に逃げてちゃだめだ」と郁子をさらに追い詰める。

美しい幻覚を見ることを許されなくなってしまい追い詰められた郁子は「こんな現実ならもういらない」と4人を惨殺してしまったのだった。

 

感想

岡部さんと薪さんの間にはこんなお話があったんですね。
岡部さんほんと良い人!!
こういういい意味で無神経というか、繊細でないというか(もちろんほめ言葉です)こういう人が実は第九にぴったりなんじゃないか、と思いますね。
そう考えると薪さんはこんな繊細なのに、よく第九の室長やってるな~って思いますね。

今回の事件も結構暗い事件ですね・・・
まあ殺人事件自体暗くて当然なんですが・・・
山崎が良かれと思ってしたことが裏目にでてしまったとことか、なんかやりきれないですね。
郁子は幻覚の世界にずっといれれば、それがいちばん幸せだったかもしれないのに。
自分の価値観を、(それが例え正しく思えたとしても)それを望んでない人に
押し付けるのはやっぱり良くないなとは思いますね。

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